今、福祉系高等学校の実習生が来苑してくれています。
毎日、実習を頑張ってくれていますが、実習日誌に
コミュニケーションが難しいというコメントが何度も
書かれていました。コミュニケーションは、実習生だけでなく
介護の仕事に就くわれわれ先輩でも難しいものだと思います。
われわれは、自分だけに通用するルールや論理をそれぞれの人が
持っています。こうあらねばならないとか、こうであるみたいな
感じのものと言ってよいかと思いますが、これを「私的論理」と呼びます。
私的論理は、あくまでもその人だけに適用されるルールなのですが、
われわれは、それを相手にまで適用しようとすることがあり、そうすると
トラブルが発生することになります。なぜなら、相手もまた同じように
自分の「私的論理」を持っているからです。
相手とわかり合い、協力し合うためには、自分の私的論理を手放して
相手と共有できる論理を見つけ出していくことが必要になります。
この相手と共有できる論理を「共通感覚」と呼びます。この共通感覚を
見つけ出していくことが言葉でのコミュニケーションの重要な役割となってきます。
なぜ、コミュニケーションをするかというと、他者との共通感覚を見つけ出して
いくためなのです。この共通感覚を見つけ出すことで「共感」が生まれます。
その共感から相手を理解しようとする気持ち「共感的理解」へとつながっていきます。
私的論理だけで生きていくと、自分の世界を自分で好きなように見ているだけに
なってしまいます。しかし、他者とのコミュニケーションを通じて、共通感覚を
身につけることで、相手がどのように世界を見ているかを知ることができます。
自分の色眼鏡を外し、相手の目で見て、相手の耳で聴いて、相手の心で感じる、
ことができれば、少しコミュニケーションはスムーズになるかもしれません。
実習生の皆さん、頑張ってください!!