私たちがどのような「思い」でいるかは他人に伝播し、他人も同じ「思い」に

 

してしまいます。相手は自分と同じ「思い」を持つことになるのです。

 

同じようにスタッフは上司と同じ「思い」を持つようになります。

 

上司が部下のことを仕事ができない奴と思っていれば、部下もまた上司のことを

 

自分勝手な考えを押し付けてばかりいる仕事ができない上司だと思うようになるでしょう。

 

そして、お互いが仕事に精力を注がなくなり、二人の生産性はどんどん低下していきます。

 

一方、上司が部下を信頼し、部下の失敗は自分に責任があると思えば、部下もまた

 

上司を信頼し、自分の失敗は自分に責任があると思うようになるでしょう。

 

部下の育成は上司がどのような「思い」を持って接するかによって決まるのであり、

 

部下に対して何をどのように伝え、管理していくかということは重要ではないのです。

 

例え相手がこちらの意図した通りに行動しているからといって、部下の指導が上手く

 

いったと思うのは錯覚にすぎません。

 

大切なのは相手がどのような行動をしているかではなく、自分がどのような「思い」を

 

持って行動しているかということです。

 

われわれの介護サービスが、ご利用者やご家族、地域から選ばれるかどうかは、

 

まずどれだけ真剣な「思い」を持って日頃のケアに取り組んでいるかが問われます。

 

これは介護サービスだけでなく、あらゆる仕事に共通することで「思い」を持って

 

仕事に取り組まなければ成果を得ることはできません。介護職でも看護職でも

 

相談員でもケアマネジャーでも管理栄養士でも、その仕事がご利用者やご家族、

 

地域に受け入れられるかどうかは、かかわる人々がどのような「思い」で仕事に

 

臨んでいるかによって決まるのです。

宏和苑 施設長