「残心」という言葉が茶道にあるそうです。
客の帰った後の主人の気持ちを物語るようで主人の心に残った安堵感・喜び
満たされた気持ちをいうそうです。
介護福祉士の働く喜びは、介護する高齢者や障害者が少しでも自ら生きる
態度を示してくれることなのではないでしょうか?肉体的にできなければ
精神においての自立を目指して働きかけることがどんなに素晴らしいことか。
先日、スタッフとの会話でお年寄りに「ごめんね」と言われながら介護することが
辛かったので、「ありがとう」と言ってもらえるような介護をしていきたいです、
というような話をしました。とても素晴らしいことだなぁと思いながら、
ふと「ありがとう」と言われるだけでは不十分ではないかと思い直しました。
お年寄りからスタッフが「ありがとう」と言われるということは、お年寄りが
一方的にお世話されるだけの存在になりはしないだろうか?色々な人に感謝され
必要となっていただき、介護する人-される人ではない、横の関係でつながって
いこうとしている我々にとっては、「ありがとう」と言っていただくだけでは
不十分ではないかと・・・。介護するわれわれも「ありがとう」と言える介護をして
はじめて、茶道でいうところの「残心」を生み出せるのではないかと・・・。
日々の仕事の営みの後に魂と魂がふれあう出会いが生み出す「残心」の豊かさを
宿しながら、最善を求めて努力したいと思い直す機会になりました!